大人のためのロボット学

最近読み直した本。

大人のためのロボット学

たぶん去年の春に買ってすぐに読んだんだけど,なんとなくまた読み返す。
そしてやはり面白い。

で,ロボカップ。

ロボカップ国際委員会の浅田さんの話を読んでて,いつだったか見たテレビ番組をふと思い出した。
その番組ではスポーツが得意な人はロボットのように正確に同じ動作ができる,ということを報告していた。
確か中国雑技団の人と,卓球の何かの大会のチャンピオンと,あと何人か忘れたけど,ともかくそれらスポーツが得意な人の動作を何回か録画して,重ね合わせるとみんな毎回ほとんど同じだった,というような話だったと思う。

実は,優秀なスポーツ選手というのは,

・あらかじめ定められたパターン通りに体を動かせる
・記憶しているパターンが多い
・プレー中の各状況にあわせてもっとも適切なパターンをすばやく引き出せる

という特性を持っているんじゃないだろうか,と思った。
他にも,これらの特性を生かすための特性として

・あまり繰り返し練習しなくてもパターンを記憶できる
・体を動かさなくても見ただけ,あるいは想像しただけでパターンを記憶できる
・良いプレーと悪いプレーを見分けられる

といったこともあるかも知れない。

チームプレー,例えばワンツーパスやスクリーンプレーなんかは,チームメイトがお互いパターンを知っていて,「この状況なら当然このパターンだろ?」とアイコンタクトすらせずにパターンに沿ったポジションに動けたりする。
フェイントもパターンを逆に利用した例と言える。
ただし,フェイント自体もパターンなので「そんなフェイクには引っかからねーよ」みたいなパターンもある。
1回目のフェイントでかかりが浅かったら,すぐに2回目のフェイントに入る,というパターンも当然ある。
かかりが浅いかどうかを見分けるのも,もちろんパターン。

パターンの記憶と再生は,ロボットが非常に得意とするところ(と言いたいけど,再生はコンピュータで音楽とかを再生する場合と異なって,実際には非常に難しいと思う)。

問題はやはり,状況に合ったパターンをすぐに引き出せるか,というところと,良いプレーを学習する(=悪いプレーは学習しない,あるいは悪いパターンとして学習する)というところじゃないかと思った。
ただ,思考というよりパターン認識だと思うと,もしかしたら今までとは違う何か別のアイデアも出てくるかもしれない。


あと,そんなこんなで想いをめぐらせていたら,ふと思ったことがある。
それはプロスポーツ選手のケガについて。
実際,シーズンを棒に振ったり,下手するとスポーツ人生に幕を下ろしてしまうようなケガというのも珍しくない話。
ただ基本的には良いパターンのシミュレーションしかしないし,ケガを負いそうなパターンというのは練習でもやんないから,現実にそういう場面が訪れても回避できないんじゃないかと。

もしかしたらケガしそうなパターンも(きりがないと言えばそうだけど)シミュレーションしておくと,スポーツ人生を長く歩めるんじゃないのかなと思った。